夏・馬産地だより 秋を待つ注目馬たち

レッドスパーダ

ウオッカとカンパニー、そしてディープスカイが引退したあとの安田記念は6歳馬のショウワモダンが勝ち、7歳馬のスーパーホーネットが2着という結果になった。4歳馬で1番人気のリーチザクラウンは14着。同じく4歳馬で2番人気のトライアンフマーチは4着。骨折のために1年以上にも及ぶ休養から復帰した5歳馬キャプテントゥーレは3番人気に支持されながらも7着だった。どの世界でも世代交代は「言うは易く行うは難し」だ。

そんな中、マイル戦線の次期主役と目されていたレッドスパーダが不完全燃焼の春から、秋の飛躍を目指して1歩づつ歩を進めている。2010年はニューイヤーSを快勝して幸先のよいスタートをきり、東京新聞杯で自身初重賞勝ちを記録した。さっと好位置をキープできるレースセンスの良さと、どこからでもスパートできる自在性は折り紙付き。加えて、東京新聞杯では自分で逃げ馬を捕まえにいってゴール前では抑える余裕があった。しかし、目標としていた安田記念のステップレース京王杯SCは体調が整わずに回避。その後も思うようにならず、6月28日に北海道のファンタストクラブへと移動した。

「現在は普通キャンターのみ。順調に稽古を積んでいます」と同クラブの石坂氏。ファンタストクラブではウォーキングマシンや坂路コース、ダートの周回コース、あるいは芝コースなどさまざまなメニューが可能だが、必要に応じてそれらを活用し、馬を仕上げている。

「秋は、マイルチャンピオンシップが当面の目標になる可能性が高いと思います。いずれにしてもまだ時間がありますので、慌てずにしっかりと送り出したいですね」と馬優先主義宣言だ。

レッドスパーダに対しては「頭が良くて、走ることに対して一生懸命ながんばり屋。オンとオフがちゃんと分かっていて、余計なことは一切しない」と高い評価を与えている。「(かつて手掛けた)タイキシャトルはうるさい面があったけど、この子は素直でおりこうさんだね。父仔で手掛けることが出来て、育成者冥利に尽きます」と力を込めた。

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